体は脂肪と筋肉のどちらを先に燃やす?
体はひとつの燃料を使い切ってから、別の燃料に切り替えるわけではありません。蓄えられた炭水化物、体脂肪、たんぱく質をどう使い分けるのか、そして食事記録が筋肉の維持にどう役立つのかを解説します。
燃料には決まった順番があるわけではありません
体は、ひとつのエネルギー源が空になるまで次のエネルギー源を使わずに待つわけではありません。炭水化物と脂肪を常に組み合わせて使っており、たんぱく質が使われることもあります。その割合は、活動の内容、直近の食事、総エネルギー摂取量によって変わります。

使うエネルギーより摂取するエネルギーが少ないとき、蓄えられた体脂肪が不足分を補うことがあります。同時に、体の正常な維持の一環として、筋たんぱく質は常に分解と再合成を繰り返しています。エネルギー不足が長引くと、筋肉を使う機会やたんぱく質の摂取量が少ない場合を特に、筋肉組織が失われる可能性が高まります。
運動中に起こること
動き始めると、筋肉はまず筋肉内ですぐに使えるエネルギーを使います。また、特に強度が高い運動や速い動きでは、蓄えられた炭水化物も使います。比較的楽な強度で長く続ける運動では、脂肪がより多く使われる傾向がありますが、どちらの燃料も使われ続けます。

1回の運動で脂肪を多く使ったからといって、体脂肪がより多く減るとは限りません。体脂肪の変化は、数分間にどの燃料が主に使われたかではなく、時間を通じたエネルギーの摂取量と消費量によって決まります。そのため、脂肪が燃える瞬間を特定しようとするより、食事記録や活動のパターンを見るほうが役立ちます。
- 短時間で強度の高い運動では、蓄えられた炭水化物が主に使われます。
- 一定のペースで無理なく続ける運動では、炭水化物と脂肪が組み合わせて使われます。
- 長時間の運動では、脂肪が使われる割合が高まることがあります。
- エネルギーや炭水化物が不足していると、たんぱく質がより多く使われることがあります。
筋肉が失われやすくなるのはどんなとき?
筋肉は、体がアミノ酸を取り出すために分解できる活動的な組織です。アミノ酸にはさまざまな役割があり、摂取量が足りないときには、エネルギーを補うために使われるものもあります。だからといって、筋肉が突然、体にとって最初、あるいは唯一の燃料になるわけではありません。

筋肉が失われる可能性は、エネルギー不足の程度と期間、たんぱく質の摂取量、トレーニング、回復によって変わります。食事制限が厳しすぎると、トレーニングを支え、筋肉を維持することが難しくなる場合があります。適切なエネルギー摂取量や変化のペースは、人によって異なります。
- エネルギー不足が大きい、または長く続く
- 1日を通じたたんぱく質の摂取量が少ない
- 定期的な筋力トレーニングをしていない
- 負荷の高いトレーニングの合間に十分な回復ができていない
- トレーニングの前後に食事を繰り返し抜いている
筋肉を支えるたんぱく質とバランスのよい食事
たんぱく質は、筋肉の維持や修復に使われる材料になります。1回にとても多く摂るのではなく、いつもの食事にたんぱく質源を取り入れていく方法が実践しやすいでしょう。食事記録を見れば、たんぱく質を定期的に摂れているか、1日の特定の時間帯に偏っているかを確認できます。
食事はたんぱく質だけで構成する必要はありません。炭水化物は活動する筋肉を支え、食事から摂る脂質はエネルギー源になり、食事の満足感にもつながります。果物、野菜など食物繊維が豊富な食品を加えると、食事に変化が生まれ、バランスのよい一皿を作りやすくなります。
- 卵、全粒粉トースト、トマト
- ヨーグルト、果物、オートミール、種実類
- 豆類、ごはん、いろいろな野菜
- 魚、じゃがいも、緑黄色野菜
- 豆腐、麺、炒め野菜
筋肉を維持する理由を体に与える
筋肉は、求められる働きに合わせて適応します。筋力トレーニングは、その組織が引き続き必要だというサインになるため、エネルギー不足の期間に筋肉を維持するうえで重要です。ウェイトを持ち上げる、押す、引く、自分の体重に抗して動く運動などがあります。
自分の経験に合った動きを選び、回復の時間を取りましょう。動きをよりコントロールできるようになる、無理のない範囲で可動域を広げる、負荷を少しずつ高めるといったことも進歩につながります。運動を継続したり、十分に回復したりできなくなるなら、運動量を増やせばよいとは限りません。
- スクワット、または椅子からの立ち座り
- 壁や安定した台を使った腕立て伏せ
- 適切な負荷を使ったローイング
- ランジ、または支えを使ったスプリットスクワット
- コントロールしながら物を持ち上げたり運んだりする動き
食事記録で確認したいこと
食事記録を見ても、いつどの組織からエネルギーが供給されたかを正確に知ることはできません。ただし、たんぱく質の摂取が不規則、エネルギー摂取量が非常に少ない日がある、活動に必要なエネルギーを確保しにくい食事が続くといった、バランスに影響する傾向は見つけられます。1食だけで判断せず、普段の数日分を振り返りましょう。
まず、食事に明確なたんぱく質源が含まれているか、いつもの生活を支えるだけの食事量があるかを確認します。次に、記録した数値だけでなく、トレーニング、睡眠、全般的な回復状態も考慮しましょう。筋力、エネルギー、回復する力が低下し続けているなら、今のやり方を調整する必要があるかもしれません。
- いつもの食事にたんぱく質源を分散して取り入れる
- 選んだ活動を支えるのに十分な炭水化物を摂る
- 厳しい食事制限を繰り返すのではなく、規則的に食事を摂る
- トレーニングと回復の必要量に合った食事を摂る