低糖質・高脂質の食事を始める前に知っておきたいこと
低糖質・高脂質の食事では、食事から得るエネルギーの多くをどこから摂るかが変わりますが、方法は一つではありません。食べるものや記録の仕方、食事のバランスを保つ方法を紹介します。
低糖質・高脂質に決まった定義はありません
低糖質・高脂質の食事では、糖質の多い食品を減らし、そのエネルギーの一部を脂質に置き換えます。誰にでも当てはまる標準的な糖質の目標量はないため、具体的な量は人や食事法によって異なります。果物、豆類、全粒穀物を取り入れられる方法もあれば、より厳しく制限する方法もあります。

低糖質・高脂質は、必ずしもケトジェニック食と同じではありません。ケトジェニック食では、体が代替エネルギーとしてケトン体を作るよう、糖質を十分に制限します。一方、一般的な低糖質の食事法では、そうならない場合もあります。目標を変えたり食事を計画したりする前に、どちらの方法を指すのか決めておきましょう。
- すべての食品を一度に除くのではなく、減らす予定の糖質を含む食品を書き出しましょう。
- 目標を総糖質量にするのか、食物繊維を差し引いた糖質量にするのか決めましょう。
- 食事記録アプリでは、ある一つの数値を合格・不合格の基準にするのではなく、現実的な範囲を設定しましょう。
- その変化が、日々の過ごし方や好み、普段の食事に合うか見直しましょう。
糖質を含む食品はパンやパスタだけではありません
パン、ごはん、パスタ、じゃがいもは代表的な糖質源ですが、それだけではありません。果物、牛乳、ヨーグルト、豆類、ソース、市販の調理済み食品にも糖質が含まれていることがあります。数日間、普段の食事を記録すると、自分の食事でどの食品が糖質量に大きく影響しているかがわかります。

糖質を減らすからといって、糖質を含む食品をすべて避ける必要はありません。葉物野菜、きのこ、ズッキーニ、ピーマン、カリフラワーなどの非でんぷん質野菜は、穀類やでんぷん質の多い食品に比べて糖質を抑えながら、食物繊維や彩り、食事のバリエーションを加えられます。どのくらい取り入れられるかは、選んだ食事法や一日のほかの食事によって異なります。
- 葉物野菜、きのこ、ズッキーニ、ピーマン、カリフラワーなどを中心に食事を組み立てましょう。
- 糖質量は商品によって異なることがあるため、ソース、ドレッシング、マリネ液を確認しましょう。
- 主な食事だけでなく、飲み物や間食、ちょっとした追加の食品も記録しましょう。
- 食事記録が実際に食べた量を反映するよう、量をできるだけ一定にしましょう。
脂質を増やすと摂取エネルギーがすぐに増えることがあります
脂質は1 gあたり約9 kcalで、糖質とたんぱく質はそれぞれ1 gあたり約4 kcalです。そのため、食事の見た目が大きくなくても、少量の脂質でかなりのエネルギーを摂ることがあります。ほかの食品を調整せずにチーズ、油、ナッツ、生クリーム、濃厚なソースを加えると、意図した量を超えることがあります。

高脂質だからといって、脂質をできるだけ多く加えるわけではありません。通常は糖質を減らした結果、摂取エネルギーに占める脂質の割合が高くなることを意味します。特に油、ナッツバター、ナッツ、種子類、チーズ、ドレッシングは量を少なく見積もりやすいため、引き続き分量を記録しましょう。
- 調理油は自由に注ぐのではなく、計量しましょう。
- ドレッシング、スプレッド、トッピングは主菜とは分けて記録しましょう。
- 習慣でいくつも加えるのではなく、食事ごとに主な脂質源を1〜2種類選びましょう。
- 空腹感や満足感が、食事記録に示されたエネルギー量と合っているか確認しましょう。
食品の質も大切です
糖質の総量だけでは、食事に変化があるか、栄養が十分かはわかりません。加工肉、チーズ、加えた脂質を中心にした食事では、野菜や食物繊維、さまざまなたんぱく質源を取り入れる余地が少なくなることがあります。食事記録を使って、糖質以外も含めた全体の傾向を確認しましょう。

主な食事には、まずたんぱく質源を一つ取り入れ、野菜と適量の脂質源を加えましょう。魚、卵、鶏肉などの家禽類、豆腐、テンペ、無糖ヨーグルト、ナッツ、種子類、一部の豆類は、糖質の目標量によって取り入れられる場合があります。油、アボカド、ナッツ、種子類は、皿の大部分を占めなくても脂質を補えます。
- 一週間を通して、たんぱく質源に変化をつけましょう。
- 非でんぷん質野菜を何色か取り入れましょう。
- 設定した糖質の範囲に合う、食物繊維の多い食品を取り入れましょう。
- 実用的な市販の食品も活用しながら、ほとんどの食事では加工度の低い食品を選びましょう。
- 同じ食事を繰り返すことで、食べる食品の種類が狭まっていないか確認しましょう。
食物繊維と水分にも気を配りましょう
穀類、果物、豆類を減らすと、代わりの食品をよく考えて選ばないかぎり、食物繊維が不足することがあります。食物繊維は規則的な排便を支え、食事の満足感を高めるのにも役立ちます。非でんぷん質野菜、種子類、ナッツ、アボカド、糖質の少ない果物を適量取り入れることで、食事のバリエーションを保ちやすくなります。

食物繊維の摂取量が急に変わると、増えた場合も減った場合も、不快に感じることがあります。変化は少しずつ加え、喉の渇きに応じて水分を摂り、消化の様子を見ましょう。適切な水分量や食物繊維量は、体や活動量、食べるものによって異なるため、一つの目標が誰にでも合うと考えないようにしましょう。
- 主な食事に葉物野菜や歯ごたえのある野菜を加えましょう。
- 食事や設定した分量に合う場合は、種子類やナッツを使いましょう。
- 選んだ糖質の範囲に収まるなら、果物もいくらか取り入れましょう。
- 食物繊維の多い食品は急に増やさず、少しずつ増やしましょう。
始める前に実践面を計画しましょう
この食事法は、買い物、調理、外食、誰かと一緒に食べる食事に影響することがあります。普段の主食がパン、ごはん、パスタ、じゃがいもの場合は、これらを減らす前に何で置き換えるか決めておくとよいでしょう。実際においしいと思える食品をもとにした計画のほうが、続けられない厳格なリストよりも役立ちます。
普段どおりの日を十分に記録して傾向がわかったら、食事記録を見直しましょう。一つの数値だけに注目せず、糖質、脂質、たんぱく質、食物繊維、総エネルギーを確認してください。この食事法を続けることで、疲れがなかなか取れない、食べ物のことが頭から離れない、日常の場面で無理なく食べられないといった状態が続く場合は、いったん中断して自分に合っているか考え直しましょう。
- 目標に合う朝食、昼食、夕食をいくつか計画しましょう。
- 職場や旅行、忙しい夜に備えて選択肢を用意しましょう。
- 家族や友人と一緒に食べる食事をどうするか決めておきましょう。
- 糖質を自動的に減らすのではなく、目標を定期的に見直しましょう。
- 大きな食事の変更が自分に適しているかわからない場合は、適切な資格を持つ専門家に個別に相談しましょう。